第1楽章 最初の便り(フランシス・クレンジャンスに捧げる)
第5楽章 チュニス・チュニジア(デューシャン・ボグダノヴィチに捧げる)
他楽器とギターのための室内楽作品は非常に少ないディアンスですが、ギター同士のアンサンブル作品は多く残しています。その中で最も演奏される機会が多いのが、ギターカルテットのための〈ハムサ〉です。「ハムサ」というのはアラビア語で「5」を表し、5つからなるそれぞれの楽章は、フランシス・クレンジャンス、ニキータ・コシュキン、アルノー・デュモン、セルジオ・アサド、デューシャン・ボグダノヴィチといった、ディアンスと同年代の5人のギタリスト作曲家たちに捧げられています。全体を通して親しみやすい曲調で書かれており、ディアンスらしい特殊奏法(さらには「遊び心」など)も随所で使われています。特に、パーカッシブな奏法を多用した最終楽章〈チュニス・チュニジア〉は、アラビア音階のエキゾチックなメロディーとその奏法とが相まって幻惑的な効果を出すことができ、単体で弾かれることも少なくありません。
※本コンサートでは時間の都合上、第1、5楽章のみ演奏します。