フェリシダーヂ(アントニオ・カルロス・ジョビン)

作編曲家のアントニオ・カルロス・ジョビンの作曲、詩人のヴィニシウス・ヂ・モライス作詞による〈フェリシダーヂ〉はボサノヴァを代表する1曲で、タイトルは「幸せ」を意味しています。ボサノヴァというジャンルの世界的な浸透に大きく関わっている映画『黒いオルフェ』で使われました。映画冒頭で、村の喧騒と重なるように、ジョアン・ジルベルトのギター弾き語りによる演奏が流れます。

この〈フェリシダーヂ〉は1983年にリリースされたバーデン・パウエルのアルバム『フェリシダーヂ』に収録されたヴァージョンにインスピレーションを受けたような印象はあるものの、全般的にはディアンス自身のかなり自由な発想でアレンジが加えられており、またクラシックギターならではのテクニカルな表現も存分に取り入れていて、独自の編曲作品として高い完成度を見せています。